パドックで「バカによく見える馬」を教えてくださいと毎回言われますが、その場合僕はいつもヤマニンモアーを思い出してあらゆるデータを頭から追い出してしまうように努めています
昭和35年の日本ダービーにおいて。
パドックに現れた26頭をありとあらゆる先入観を捨ててしまって、虚心になって馬たちを見ていきました
で、隣にいた先輩記者に思わず「2番が絶好の気合ですね」と叫んだんです
ところが、自分の予想をみたら2番はまったくのノーマーク。
それがヤマニンモアーだった
この馬は春シーズンのなかばに肩を痛めて休み、治療を終えてやっとダービーの1週前のオープンに間に合った、というローテーションでは、僕はハナからカヤの外と思わざるを得ませんでしたから…
しかし、他の25頭がぜんぶ霞んでしまうほどのいい出来でした
果せるかな、ヤマニンモアーは3番人気で2着に突っ込んできました
3番人気なんですから、見る人はもちろんこの馬を正しく評価していたわけで、僕の予想の方が間違った「意地っ張り」予想だったわけ
それにしても妙な先入観の弊害をあれほど強く感じたのは初めてでした
パドックでは「とにもかくにも第一印象!」をこれほど強烈に教えてくれた馬は他にいませんね 大川慶次郎
ご存じ競馬の神様と呼ばれた予想家。
予想家としては通算4度パーフェクト予想を達成した。
亡くなる直前に有馬記念でグラスワンダーの優勝を予想していたのを記憶に残っている。
パドックについてのコメント。
個人的にはパドックは減点法で見るべきだと思っているので・・・
良く見える馬と言うのには懐疑的だ。
入れ込んでいたり発汗していたり、馬っ気を出している馬を減点すればいいのではないかと思っている。
なのであまり重視していない。
例え、馬っ気を出していても・・・
ピルサドスキーのように勝つ場合もあるのだから・・・
騎手が馬を見ても分からないと言うのに・・・
見るだけの人間が分かるとは思えないのだ。
まあ、そうじゃない才能を持っている人もいるのかもしれないけれども・・・・
でもこれって才能のある人に贈られる「ギフト」のような感覚だと思うのだ・・・
なんとなく、光って見えるとか・・・・
努力の積み重ねがそう言った才能をもたらせるのかもしれないが・・・・
桜井章一氏が麻雀で言う感覚を研ぎ澄ませろと同じかもしれないけれども・・・・
私のような普通の人間にはとてもパドックで判断がつかないし・・・・
パドックで分かる人をむしろ懐疑的に見ているので・・・・
そうなんですねという感じで軽く流すくらいにしか思えない・・・・