バランスなんだな、結局は

スポンサーリンク

さて、最近飲食店経営の方がそこそこ忙しい。

もっと塗炭の苦しみを味わうことになると思っていたのだが、緊急事態宣言あけてからは結構固定客が来てくれるようになっている。

ただ、やってみないと分からないのはやはり一緒で、私はお客さんが連日たくさんくればどうにかなると思っていた。

それこそ、父から引き継いで始めた当初はノーゲストが当たり前のような状況下で、スタッフの給料も持ち出し。

ランニングが赤字で、希望も何もない状態だった。

その状況で平日10人お客さんが来れば黒字になるなんて甘い事考えていたが、平日にお客さんは10人も来ないんだよな。

箱が広いので20人以上は入れるが、そこが金土でも埋まる事はそうはないのに、平日に金土くらい人が来ること前提の経営なんてそもそも理論が破たんしているのだ。

そしてスタッフも一人で対応できる顧客数には限界があり、スタッフの数と対応できるお客さんの数のバランスが合わないと、放置されての離脱客となってしまう。

そうすると店員側の人数に適合したバランスのお客さんしか結局来ないんだよな。

たくさんくればいいという発想は完全に間違っているわけではないが、それは継続される事じゃないんだよな。

なので店員の数とお客さんの数のバランスはアダムスミスの神の見えざる手ではないが、いずれ落ち着くようになってしまう。

そう考えると、価格帯も安ければいいわけではなくて、店員の数とお客さんの数のバランスに会った価格帯にしないとどうやっても利益が出せる体制にはならないのだ。

おしぼり、割り箸、トイレットペーパー、マイク消毒スプレー、石鹸、ペーパータオル、乾き物、洗剤、ゴミ袋とか意外に馬鹿にできない見えない経費は多い。

ちょっと取りすぎくらいでようやく利益が出ると言えるレベルになるんだよな。

そのため7月1日から価格改定で値上げをするのだけれども、それでもダブルワーク分の価値を産み出せるとは思えていない。

ただ、月額最低5万円黒字で修繕費分くらいにはなるかなというレベル。

それ単体で食べているわけではないので、月に20万円ほどの黒字になれば御の字かなと思っているが、現行価格ではどうやってもプラスマイナス0くらいにしかならない。

単体で食っていたらプラス20万の黒字でも無理だが、そうじゃないから目標値をその数値に設定できる。

ただ、2023年の秋口にインバウンド制度が導入される。

2年間は経過措置があるようだが、これが導入されると消費税を売り上げ1000万以下の店でも納税しなければならなくなるらしいんだよな。

そんな事になれば個人商店は潰れまくると思うのだ。

利益じゃなくて売り上げの10%取られたらまず赤字の店が続出する。

その価格分をお客さんに転嫁しないと難しいし、2025年に再度値上げになるんだろうな。

値上げしても来てくれるレベルの人を集めなければならないのだけれども。

良い人を見つけるのも難しいし、飲みに来る人は一人客が多いのでカウンターの席数が箱の広さに見合っていないんだよな。

バブルのときはボックス席で良かったかもしれないが、未だとボックス席やテーブル席はそんなに多くなくていい。

コの字型のカウンターが多い方が、一人のスタッフで対応できるお客さんの数も増えるしな。

こんなのもやってみなければ分からない事。

まあ、今回の価格改定でどういう結果になるかもやってみなければ分からないが、いろんな経営の本にも記載してあるけれども高くなくちゃダメなんだよな。

それを現実で実感させられた。

値上げしても安いままだけれども、徐々に価格を上げざるを得なくなるだろうな。

スポンサーリンク