多摩動物公園(東京都日野市)で女王が死亡したハキリアリの展示は、巣内の状態が悪化したため展示を終了いたしましたと案内されたようだが・・・
これ、人間の生き方も考えさせられる。
女王アリが死後5カ月、この群れでは働きアリたちが、女王が生きていた頃と「変わらぬ日常」を繰り返していました。
しかし、群れの働きアリたちはすべて、女王の子ども。
そのため、女王アリの死が意味するのは、群れに「新しいアリ」が生まれなくなることです。
それぞれの働きアリが命尽きると同時に群れは衰退して、「日常」には間もなく終わりがくることが分かっていましたとのこと。
ハキリアリは他のアリには見られない特異な生態を持つ事で有名で、働きアリは列を成して、様々な木に登り、そこにある葉を切り落として次々と巣へと運んでいく。
その姿は葉が独りでに歩いているように見える光景になる。
そして切り落とした葉を巣へ持ち運ぶが、この葉をエサにする訳ではなく、地下の巣の広大なスペースに葉を運んで、その葉に特殊な菌類を植え付ける。
これはアリタケと呼ばれ、植物の葉を栄養源にして菌類は増殖し、育っていくが、その為にアリ達は葉を運び、この菌類をエサにしている。
この菌類を育てるところを菌園と呼ばれるそうだ。
女王蟻が死亡して2か月で働きアリの高齢化と個体数減少が進み、第一菌園の維持も困難な状況に。
菌園の縮小は食料不足を招き、それは体が大きく行動量の多い運搬アリの飢餓に直結する
ゆるやかに迎えつつある滅亡。それでも残ったアリたちは自分の役割をこなし続けています。
しばらくすると、体の大きな「本来外敵と戦う役目の兵アリ」の一部が、体の小さな葉切り役のアリたちに混ざり、葉切り作業をし始めた
迎えつつある滅びを前に、アリたちは協力して一生懸命生きています
残ったアリたちは女王アリ存命時と変わらず自らの役割をこなし続けていました。
その一切の迷いがない姿にただ己が為すべきを為す。
信頼できる仲間たちと、いつも通り過ごす日常」たとえ滅びが待っていたとしても、アリたちはそうやって生きていく。
その展示が終わったようだ。
でもこれさ、ちょっと美しさを感じるのだよな。
変わらぬ日々を最後まで可能な限り続ける。
なんか強いよね。
ちょっとこの滅びの展示の記事に心動かされた。
NHKか何かで特集をやってくれないかなと思わされる。
けれどももしかしたら高齢化社会で限界集落の村も同じなのかもしれないな。
人間の社会も滅びを迎える限界集落はこの蟻の世界のように変わらぬ日常を最後まで続けるんだろうか・・・
なんかちょっと切なさを感じる記事だった。