エアシャカール、エアシャカール!豊だ!
アグネス!河内の夢も飛んで来ている!
エアシャカールか、エアシャカールか!
それともアグネスか!アグネスか!
河内の夢か!豊の意地か!
どっちだァーーーっ!!??
エアシャカールか、アグネスフライトか・・・
豊のV3か、河内洋、悲願のダービー制覇か・・・!?
2000年日本ダービー
三宅正治アナウンサー
フジテレビのアナウンサー。現在はアナウンス室専任部長。
フジテレビに入社した理由が「ダービーの実況がしたいから」であり、フサイチコンコルドが勝った日本ダービーがダービー初実況だった。
そこでも名実況を残したが、その4年後のダービーであるこのレースでも素晴らしい実況をした。
アグネスフライトとエアシャカールの壮絶な叩き合いに乗せて叫ばれたこのフレーズは、競馬ファンの耳に鮮明に残り、いまだに「名実況と言えば」という話題ではかならず挙がるもののひとつだろう・・・・
20世紀末、2000年の第67回東京優駿。
1番人気のエアシャカールは皐月賞、そしてのちに菊花賞を制して二冠馬となった馬。鞍上の武豊はスペシャルウィーク、アドマイヤベガと2年連続でダービーを勝っていた。
当時のクラシック戦の最強コンビだろう・・・・
一方のアグネスフライトは、若葉ステークス大敗の後、若草ステークス、京都新聞杯を連勝してこの一戦に臨んだ。
鞍上は河内洋。往年のリーディングジョッキーであり、このときも数年間、上位10位以内をキープしていた。しかし、ダービーを勝ったことはなかった。
そういった背景を的確に表現したのが、三宅の実況だった。
あの直線での叩き合いは、まさに、河内の夢と豊の意地のぶつかり合いだったのだ・・・・
ダービーを実況するためにフジテレビを志望したというのはウソではなかったのだろうと、多くの競馬ファンが思ったのではないだろうか・・・・
アグネスフライトはこのレースの後、1勝もできずに種牡馬入り。産駒成績はふるわず、全弟のアグネスタキオンに大きく離されてしまった・・・・
弱いダービー馬と揶揄されることもあったが、しかしあのとき、あのダービーでは、本当に輝いていたように思う・・・・
ただ血統も面白く、母のアグネスフローラは桜花賞馬だし、祖母のアグネスレディーはオークス馬
全弟のアグネスタキオンは幻の三冠馬とフジキセキと共に言われているが・・・・
産駒にロジックとダイワスカーレットがいるので、名牝の血はダイワスカーレットで繋がっていくのではないだろうか・・・
タキオン産駒のディープスカイもそれなりに種付け実績あったかどうかは不明だが・・・・
ダービー馬はダービー馬からという格言を思い出させられる。
ただ、アグネスフライトは産駒に恵まれず産駒は重賞馬がいないようだ。
全弟のアグネスタキオンが10年前に急逝してから同じ血統で実績があったので重用されるかと思ったが・・・
人気がまるででず、2011年には種牡馬も引退している。
悲運のダービー馬ともいえるかもしれないが・・・・
今のところアグネスタキオンの血を引いているのはディープスカイ産駒のクリンチャーだけ・・・・
2018年の天皇賞春がかなり強い競馬をしており、自信満々で有馬記念で本命に推したが・・・・
4コーナーでズルズル下がっていくのを見て絶句・・・・
クリンチャーの状態が悪かったのか・・・・
天皇賞春くらい仕上がっていればG1でも好走できると思うんだけれどもなあ・・・
ただ、あまり人気が出るタイプの馬ではないので・・・・
どこかのG1で穴をあけるかもしれないと思っている。